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 南米原産の夜咲き性の熱帯睡蓮。ニンファエア・アマゾヌム(Nymphaea amazonum)の品種名は、大阪市鶴見区の「咲くやこの花館」のラベルで知った。

 この睡蓮はブラジルのアマゾン川流域から導入されたものらしい。夜咲き性なので、通常の開園時間内では開花しない。みずの森のある滋賀県の烏丸半島は、琵琶湖の湖岸に位置しており、隣接して滋賀県立琵琶湖水族館があるが、夜間はこの烏丸半島への進入路が閉鎖されるため、徹夜での観察ができない。以前、一度だけみずの森のスタッフが撮影したことがあるというが、夜8時ころになってから開花しはじめたそうである。しかし、残念ながら一般の来園者は開花した姿を見ることはできない。

 曇りや雨の日の朝にみずの森を訪れると、夜咲き性の熱帯睡蓮がまだ咲いている場合がある。「サー・ガラハッド」や「ルブラ」など。しかし、「ニンファエア・アマゾヌム」は夜の早い時間に開花してしまうので、ふつうは夜明け前に花を閉じてしまう。みずの森に十数年間通っていても、偶然この睡蓮が花の形を残したままの状態に遭遇したことは滅多にないのである。水面に倒れながらも花の形をそのまま残している写真は、夏の開園時間が早朝7時になっている時だった。奇跡的な一枚である。

 掲載している写真の多くは、花が咲き終わって傷んでしまった状態である。花の形がそのまま残っていることは稀で、ほとんどがばらばらに散ってしまったようになっている。なかには、小さな粒状になっていることもある。花が爆発でもしたかのようだ。

 この睡蓮の莟は、日中目にするときは、多くの場合、緑色の葉が重なりあっているその上にポツンと乗っかっている感じである。ギガンテアのように、花茎がぐいっと立ち上がっていることはまずない。しかし、前夜のうちに開花して萎れてしまった花をよく見ると、わりと長い花茎が水面に横たわっているのに気づく。夜に、この睡蓮が開花しているところを見たことがないので、たんなる想像だが、開花するときは、ギガンテアほどではないにしても、花茎がすっくと立ちあがっているのではないだろうか。

 一度、真夜中にこの睡蓮がクリーム色の花びらをいっぱいに広げているところを眺めたいものである。