【直前の画面に戻る】(BACK) |
白色のモッコウバラ(一重咲き)。 いわゆる「モッコウバラ(木香茨・木香薔薇)」は中国原産で、蔓性の薔薇である。この仲間には4種類ある。花色が黄色のものと白色のもの、それぞれ一重と八重。黄色の八重が「ロサ・バンクシャ・ルテア(Rosa banksiae lutea)」、黄色の一重が「ロサ・バンクシャ・ルテスケンス(Rosa banksiae luteskens)」、白色の八重が「ロサ・バンクシャ・アルバ(Rosa banksiae alba)」、白色の一重が「ロサ・バンクシャ・ノーマリス(Rosa banksiae normalis)」である。 黄色のものは香りが弱く、白色のほうが香りがあると言われている。この薔薇には棘がなく、また病虫害にも強いので、薔薇栽培の初心者でも扱いやすく、入門によく用いられるという。蔓性なので、アーチ状にしたり、大きな壁や樹、門などに這わせたりしているのを見かける。春先、他の薔薇に先駆けて咲きはじめる。黄色のほうがやや早く咲きはじめる。春にしか咲かないので、夏から秋にかけては葉が生い茂っているだけである。常緑なので、冬でも葉が落ちない。これらの性質を利用して、葉群の緑そのものを楽しむレイアウトを考えている人も多いという。 この薔薇は、育てやすく、日本の気候にもよく適応するので、あちこちで多く植えられている。しかし、旺盛に成長するので、かなりの場所を用意しておかないと、どんどんエリアの外にまではみ出していったりしているの姿もときどき目にする。 黄色・八重のモッコウバラは、13か所のバラ園で撮影している。岐阜県可児市のぎふワールド・ローズガーデン(旧:花フェスタ記念公園)では4種類すべてのモッコウバラを見ることができる。私が撮影してきた中では、4種類揃っているところはほかにはない。ぎふワールド・ローズガーデンでは、「原種の谷」という、原種の薔薇をたくさん集めたエリアが奥まったところにあって、そこにモッコウバラ4品種がすべて揃っている。丘の斜面を利用したところなので、蔓性の薔薇を育てるには適していると思われる。モッコウバラや原種の薔薇の多くはあまり剪定する必要もないようで、このような斜面で半ばほったらかしのようにしてのびのびと育てられている。黄色・八重のモッコウバラは、ロイヤルローズガーデンなどにも植えられている。 |