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 染井吉野は日本でもっとも多く植えられている桜である。

 江戸時代の終わりころに江戸(東京)の植木屋が交配して作り出したのではないかといわれている。親になったのは江戸彼岸と大島桜であろうというのが従来の説だったが、数年前に、「小松乙女」という交配品種が片親ではないかという説が発表された。しかし、その後の展開がないのでこの説は何となく消えてしまったかのようである。

 この桜は、明治20年代に靖国神社の境内に植えられたのが古いとされているようだ。その後、全国に広まっていった。気象庁が毎年発表してきた桜の開花予想の標準となっているのがこの染井吉野である。なお、北海道では染井吉野がうまく育たないので、大山桜(蝦夷山桜)が開花予想の標準の品種とされているようである。

 染井吉野の普及率はたいへん高く、約80%といわれている。学校やダム湖畔、公園などにいくと必ずといっていいほどこの桜を見ることができる。

 この桜は種子ができにくいので、插木で殖やされる。插木なので、同じ形質の桜が大量に生産されることになる。どこに植えても同じ桜なので、同じころに開花するのだが、やはり、寒冷地になると開花は遅くなる。標高の高い地域でも、やはり遅くなる。