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 荒川堤にあった桜。

 絶滅してしまったかもしれないといわれているが、石川県林業試験場の「樹木公園」(白山市) にはこの奥都が3本植えられている。

 どこから導入されたものかわからないが、私がここに通いはじめたときにはすでに植えられていた。 すぐそばには「永源寺」も植えられており、近くには「松月」などもある。これらはラベルがないと ちょっと見分けがつかないくらい似ている。開花の時期はすこし異なるような気がするが、その年の 気温の推移によっても変わってくるので、何とも言えない。

 この桜は、樹木公園でしか見たことがない。

 この桜の由来は気になるものの、花は上品で美しい。樹木公園は白山山系の外れにあって、豪雪地帯である。 春になると公園内のあちこちで雪折れの樹木を見る。このような気候には棲息していない木も植えられている ので、雪で傷んでもしかたがないとは思うが、管理はたいへんであろう。春の桜の時期に訪ねると、奥の山への 登山口にもあたるので熊出沒注意の看板などもあって、すこし緊張する。桜の写真を撮るのに夢中になって まわりが見えなくなっているかもしれない。

 樹木公園の中にはいたるところにカタクリの花も咲く。例年は4月中旬から下旬が見ごろだが、年によって 多少のずれはある。公園の駐車場のすぐ上に広場があり、休日には大勢の人がやってくる。広場の端に兼六園 菊桜が植えられているが、染井吉野が満開になるころにはまだ冬の姿なので、誰も気に止めていない。近くの 八重紅枝垂桜が染井吉野とほぼ同じ時期に咲くので、そちらの木の下に人が群がっている。

 ここには早い時期に咲く椿寒桜や、遅く咲く霞桜などもあり、1か月以上にわたって桜を楽しめる。また、 椿も多く集められている。桜と椿の開花時期は重なるので、両方を見ることができる。公園も駐車場も無料である。