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 古くから桜の名所として知られている奈良県吉野山の桜。

 山桜の仲間であるが、蔵王堂の蔵王権現が桜の木で造られていることから、 古来よりこの地には桜の木が多く寄進されてきた。「一目千本」と言われており、 上千本、中千本、下千本、さらに奥千本という区域に分かれている。

下千本から上千本までは一続きになっているので、ふつうはこれらを ひとまとめにして楽しむことが多い。奥千本は、上千本からさらに上った ところにある金峯神社の横から小さな峠を越えた向こう側にあって、歌人 西行が庵を結んでいたという西行庵が復元されている。山道なので、それなりの 支度でないと行きにくい。

 私は何度この地を訪ねたことだろう。吉野山から尾根をいくつか越えたところに、 歌人前登志夫の家があって、吉野山を歩いたあと、林道を抜けて彼の家にまわったこともあった。

 吉野山の桜は、ひとつの品種としての桜というよりは、歴史的な背景が 強く意識されるので、花だけを撮るのではなく、蔵王堂を入れたり、 遠くに見える二上山や葛城山、あるいは竜門岳を取り込んだものになることが多い。 雨の日の吉野山も趣きがあって、私は好きだ。