その他の写真>その他>2021/12/15

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 滋賀県草津市立水生植物公園「みずの森」。

 温室には年中熱帯睡蓮などが咲いている。夜咲き性の睡蓮もあるので、朝一番(冬期は朝9時30分~)に入園すると、まだ閉じていない花に出会える。

 ここの温室には、世界最大の熱帯睡蓮が展示されている。
ニンファエア・ギガンテア …… ブルーの花
ニンファエア・ギガンテア・’アルバート・デ・レスタング’ …… 白色の花
ニンファエア・ギガンテア・ネオロゼア …… ピンク色の花

 いつも3種類のギガンテアが展示されているのではないが、状態のいいものが随時入れ替えられてい る。今日(2021/12/15)は白色の「ニンファエア・ギガンテア・’アルバート・デ・レスタング’」が たくさん咲いていた。ブルーの「ニンファエア・ギガンテア」は見当たらなかった。ピンク色の「ニン ファエア・ギガンテア・ネオロゼア」も1鉢あったのだが、花が水面に沈みかけている状態でほぼ終わ りだった。

 今回のみずの森の写真では、最近あらためて感じていることがあるので、すこし記しておく。

 1枚目の写真は、「プライド・オブ・カリフォルニア」と思われる。

この「……思われる」というのにはわけがあって、話をすると長くなってしまうのだが、 睡蓮の展示についてずっと以前からの課題だったことがここにきて表面に見えるかたちで噴き出してき たような気がするのである。

 みずの森のような温室の中の池で睡蓮を展示しているところはほかにもあるのだが、展示されている 睡蓮の名前が知りたいと思っても、そう簡単なことではないのが現実である。いろんな品種の睡蓮がそ れぞれ鉢植えになっているのを池の中に沈められている。鑑賞者は水面に、あるいは水面からにょきっ と突き出した茎に咲いている花が眺められるようになっている。綺麗な花が咲いている、というだけな らいいのだが、そのうちに今咲いている睡蓮の名前が知りたいと思うこともあるはずだ。しかし、これ がなかなかむずかしい。池に展示されている睡蓮のリストが貼り出されているところもあるが、そのう いうリストを見ても、今目の前に咲いている花がリストの中のどれなのかわからないのである。

 睡蓮のリストというのは、だいたい品種名とその写真がセットになって、10種類、20種類と一覧表に なって並んでいるのがふつうであろう。しかし、池の中の睡蓮鉢はリストのように綺麗に並んでいるの ではない。池の形に丸かったり長方形だったり、ときにはみずの森のように蓮の花の形を模した作りに なっている池に合わせて複雑な配置になっていることもある。現実の花と、リストの花とを比較してこ れだと見つけることは相当にむずかしい。しかも、リストに貼られている睡蓮の花の写真の品質がいま いちであることも多く、独特な形や色など特徴のある睡蓮で、私がその花を見て品種がわかる場合でも、 リストの写真があまりにも似ていないことに気が滅入る。

 実物の花と品種名のリスト(ラベル)をとにかくきちんと合わせてほしい、というのが最近の私の悩 みであり、希望でもある。睡蓮の花は数日で萎れてしまう。蕾がたくさんついている場合は次々に新し い花が咲くが、花が終わると別の品種の睡蓮鉢と入れ替えることになる。そうすると、またリストと比 較しても品種名がわからなくなる。

 この問題は今の時点ではどこの植物園でも解決していないと思われる。ただ、静岡県の熱川バナナワ ニ園の睡蓮温室では、はっきりと区切られた木の枠の中に1種類の睡蓮だけを展示しているので、その 枠に書かれている品種名がすなわちその睡蓮の名前である。わかりやすい。