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京都府立植物園。その1。 今年の桜は昨年に比べると遅くなったものの、例年よりはやや早く咲き出し、染井吉野はもう散りはじめている。 桜といえば染井吉野ということになるのだが、この植物園にはそのほかの桜がたくさん植えられている。 早咲きの品種は3月の中旬から咲いているし、4月中旬にならないと咲かない品種もある。 「奈良の八重桜」や「太田桜」などが遅く咲く品種の代表的なものである。「霞桜」も晩く咲くのがふつうだが、 こちらの植物園ではもう咲いていた。 たくさんの桜をただ眺めて過ごすだけでも気持ちがいいものだ。 京都府立植物園では、近年桜のエリアを拡大しているようで、新しい品種の導入が進んでいる。 園内を歩いていると、図鑑でも見たことがないような品種がいくつも見つかる。嬉しい驚きだ。 桜は根元を踏み固められると根が傷んでしまうので、木の下を通らないようにするのがいいのだが、 柵で囲われている奥のほうに新しい品種の桜が植えられているのが見えると、どうしても気になってしまう。 品種名のラベルが付いているのだが、遠すぎて読めない。花も小さすぎて見えない。残念である。 植物園であるから、来訪者によく見えるようにもうすこし配慮してほしい。 植物名のラベルには一定の形式があるようで、どんな植物でも同じようにうまくまとめて表示されている。 しかし、古くから植えられている桜には昔のラベル、というか名前だけを書いた名札のようなものがまだ残っていることがある。 何十年か前にはこのような名前だけのラベルがふつうだったのだろうかと、あれこれ想像できて楽しめる。 現在人気のある桜だけでなく、過去のある時期に注目されていたであろう桜が今も花を咲かせているのが植物園というところである。 日常から切り離された空間に身を置いて、しばらくは夢見心地で散策を楽しみたい。 |