その他の写真>その他>2022/04/20

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 長野県北部の桜を見に行ってきた。

 染井吉野は長野市あたりではすでに終わっているのだが、近くの高山村では枝垂桜が見ごろを迎えていた。 ここには「高山五大桜」といわれる立派な桜があり、そのほかにもたくさんの桜(おもに枝垂桜)が村内のいたるところで咲いている。

 高山五大桜は、次のとおりである。
1.水中のしだれ桜(みずなかのしだれざくら)
2.赤和観音のしだれ桜(あかわかんのんのしだれざくら)
3.黒部のエドヒガン桜(くろべのえどひがんざくら)
4.中塩のしだれ桜(なかしおのしだれざくら)
5.坪井のしだれ桜(つぼいのしだれざくら)

 それぞれ立派な桜であり、どの桜も今なお元気に花を咲かせている。 これらの桜を巡る途中にもあちこちに名前のつけられた桜があり、また、 関西には珍しい大山桜(紅山桜・蝦夷山桜)がふつうに植えられていたり そこここに自生していたりで、何度も途中で車を止めて撮影した。

 高山村での撮影が終わったころにはちょうどお昼になったので、 高山亭(こうざんてい)で蕎麦をいただいた。何度か来ているが、ここの蕎麦は美味しい。 平日であっても正午になるとやはり混んでくるので、すこし早いめに店に着いてよかった。 今の季節のお膳をいただく。蕎麥は大盛りにしてもらった。するすると喉越しよくいくらでも 食べられそうな気がするが、逆流性食道炎を患っているのであまり食べてはいけないのであるが、 夜は控えることにして至福の時間を過ごした。

 午後は、飯綱町まで異動して、「袖之山(そでのやま)の枝垂桜」と「地蔵久保(じぞうくぼ)の大山桜」を見た。 地蔵久保の大山桜は明治時代に日清戦争(一説には日露戦争)の勝利を祝って植えられたものだという。 樹齢はすでに100年を超えている大木で、1997(平成9)年、牟礼村(当時)の天然記念物に指定され、 2005(平成17)年には長野県の天然記念物に指定された。遠くからでも目立つのだが、県の天然記念物に 指定されたころから急に樹勢が衰えはじめたという。主幹はすでに朽ちて折れてしまったのか、痛々しいかぎりである。

 最後に見たのは長野市泉平の「素桜神社の神代桜」。 神代桜という桜は、山梨県北杜市の「山高神代桜」(国指定の天然記念物で推定樹齢2000年とも)が有名だが、 ここの神代桜も推定樹齢1200年という。同じく国の天然記念物に指定されている。堂々とした幹回りで、樹勢も盛んである。 ちょうど満開に当たったようで、樹全体に花が咲き盛っていた。

 周辺の山々はまだ真っ白で、黒姫山、飯綱山、妙高山などが春の陽に輝いていた。

 その日は信濃川添いに溯って、安曇野市まで行った。大王わさび農場で生の山葵を購入して近くに宿泊。 翌日、朝早いうちに、雪山を背景に小彼岸桜を撮ろうと思って常念石仏まで行ったのだが、小彼岸桜はすでに散っていた。 前日の高山村では小彼岸桜が満開だったので、まだ咲いていると思っていたのだが、安曇野はすこし暖かいということなのだろう。 そこから、大町公園に向かう。山岳博物館の会館までは時間があったので、今回は見られなかったが、公園内には数種類の桜があり、 標高が高いせいか、染井吉野もまだ咲いている木もあった。大山桜、小彼岸桜のほか、種類のわからない桜も咲いていた。 大町の市街地の向こうには北アルプスの山なみが連なっていて、冬の姿のままだった。

 白馬村、小谷村を経て、新潟県糸魚川市に出た。新潟県に入るまでは、あちこちに大山桜が咲いていて、 また道路沿いや民家に庭さきにもたくさん植えられていた。関西地方ではふつうの山桜がこのようにたくさん 植えられているところはまずないのだが、大山桜の花は紅色で、花が大きなものもあり、華やかである。 春を心待ちにしているこの地方の人々に愛されているのであろう。