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みずの森の睡蓮。温帯睡蓮と熱帯睡蓮。 5月になって、みずの森では屋外でも睡蓮が咲きはじめた。 温帯睡蓮は、専用の観察池が正面入口を入った右手、出口に近いところにある。 そのほか、「花影の池」やそこから琵琶湖岸に近いもう1つの池にも鉢が沈められる。 温帯睡蓮の花は、朝から咲きはじめて、夕方近くまで咲いている。夜は閉じてしまうのだが、 熱帯睡蓮のように夜咲き性の品種はないようだ。 熱帯睡蓮は、花の大きさも株の広がり具合も品種によってさまざまだが、 温帯睡蓮はほぼ同じ大きさである。ほとんどの花が水面に広がった葉の上に、 あるいは葉の隙間に咲く。稀に花茎がすこし立ち上がって咲く品種もある。 温帯睡蓮の花の色は、熱帯睡蓮に比べてやや地味である。 熱帯睡蓮「ニンファエア・ギガンテア」のような鮮やかなブルーはない。 「レッド・フレアー」のような真っ赤な色もない。「ペンシルベニア」のような 水色の花も見たことがない。ピンク、白、赤、薄い黄色くらいである。 温帯睡蓮に「オールモスト・ブラック」や「ブラック・プリンセス」という品種があるが、 これらは黒い睡蓮を目指して作出された品種である。「オールモスト・ブラック」は、 「ブラック・プリンセス」が登場するまではもっとも黒色に近い睡蓮だといわれていたようである。 しかし、「ブラック・プリンセス」が登場すると、黒い睡蓮の座を明け渡してしまった。 「ブラック・プリンセス」にしても、まだ真っ黒というわけではない。赤黒い感じなのだが、 咲きはじめの蕾のときにはほとんど黒色に近い部分も見受けられる。 温帯睡蓮の葉もあまり顕著な特色はなく、緑色か赤茶色である。1つだけ、 「アーカンシェル」という品種は、葉が斑入りになっている。「マリアケア・カワセ」も 葉が斑入りになる品種だが、「アーカンシェル」とどうちがうのか、詳細は不明である。 なお、日本に自生する「ヒツジグサ」も温帯睡蓮である。未の刻に花が咲く、ということらしいが、 実際にはもうすこし早い時間から開花するようである。6月になれば例年みずの森にも展示される。 |