【直前の画面に戻る】(BACK) |
みずの森の蓮・睡蓮の花(2024/08/16)
今年の蓮もそろそろ終了であろうか。 写真2枚目は「千弁蓮(妙蓮)」。まだ開ききっていないのだが、外側の花弁はもうはらはらと落ちている。 この蓮には雄蕊が存在しない。雄蕊はすべて花弁に変化してしまったのである。花弁数は2,000~5,000枚という。滋賀県守山市の近江妙蓮会館(近江妙蓮の自生地大日池のほとりにある)には、近江妙蓮に関する詳しい展示がある。実際に花を開いて取り出した花弁を1枚1枚並べた写真もある。写真の妙蓮はもうこれ以上花が開くことはないだろう。赤い中央部分の花弁(の塊り)はやがて黒ずんでゆき、枯れてしまうことになる。 写真6枚目は「舞妃蓮」。早咲きの蓮で、6月からすでに咲いていたのだが、今年は8月の旧盆を過ぎてもまだ咲いている。写真の花は開花1日目で、翌日にはパッと花弁が全開して美しくなるだろう。 写真10枚目は「白蓮」。開花1日目の綺麗な花。開化したその日の花はほとんど開かない品種がほとんどなので、開花しているのかまだ蕾なのかはっきりわからない場合も多い。開化2日目の綺麗な状態の花を見たいと思っていても、開花第1日目の花だということがわからなければ、2日目の花も見逃してしまう。 写真11枚目は「食実用蓮」。蓮根を採るための蓮であるが、蓮根畑では稀にしか花が咲かないようである。 みずの森のこの蓮は、鑑賞用の花蓮として眺めても充分美しい。蓮根畑で花がほとんど咲かないのは、栽培農家が蓮根に栄養が行き渡るように世話をしているからであり、花が咲いてしまってはそちらに栄養が取られてしまうので蓮根が太らなくなるため、花を咲かせてしまうような育て方は下手だと言われたそうである(昔蓮根農家の方に聞いた話)。 写真14~15枚目は「ヤマサキカズラ」。水中では水草として、陸上ではつる性植物として成長する珍しい水草。京都の山崎美津夫氏がパプアニューギニアのジャングルの池のほとりで見つけたもの。 現地でも花が咲くという報告はほとんどないらしい。みずの森にも移植されたこの花は、2018年6月に初めて開花した。その後2022年にも開花したあと、2023年も開花している。 私の写真のリストを調べると、初めてこの花を撮影したのが2022年5月、次が2023年5月である。本年(2024年)は8月中に開花すると思われるので、開花時期が今までよりはすこしずれることになる。 しかし、ヤマサキカズラの花は開花して半日から1日で終わってしまう。綺麗な状態が丸1日もたない感じである。開化したという報道を知って翌日見に行ったが、もう花の外側が黒ずんでしまっていた。ふしぎな花である。 最初の写真では、昨年咲いた花が2つ写り込んでいる(中央と右側)。花が終わってもポトリと落ちてしまうことはないようだ。 写真20枚目は熱帯睡蓮「スワンジトラ」。花弁の尖が委縮したようになっているのは暑さのせいではないかと思う。熱帯地方では、夜中は日本の熱帯夜のようには暑くならないそうである。熱帯育ちの睡蓮にとっても日本の真夏の暑さはこたえるのだろうか。 このように花弁の先端がクシャッとなっている睡蓮はほかにもいくつかある。また、花の中央部分の雄蕊が白っぽくなっているものも目立つ。 写真22枚目は「ニンファエア・ギガンテア・’アルバート・デ・レスタング’」。白い花が咲く。原種のギガンテアには3種類あって、この白い花と、青い花(ニンファエア・ギガンテア)、それから桃色の花(ニンファエア・ギガンテア・ネオロゼア)。 みずの森が開園するときにスイスの国際睡蓮協会から贈られたのが青い花のギガンテアで、開園当初の大判のポスターにもその写真が使われていた。水面から数十センチの高さまでにょきっとまっすぐ立ち上がった茎の上にブルーの巨大な花が咲くその姿は鮮烈な印象だった。 あれから20年が過ぎたが、この世界一の巨大な睡蓮はかなり神経質だそうで、いったん休眠に入ると、葉を落として球根だけになり、半年も一年も生長しないらしい。最近では、白色のギガンテアだけが温室に展示されている。かつて、3種類のギガンテアがすべて同じ池に並べられていたこともあったし、夏になると、ピンク色のネオロゼアが屋外に展示されて次々に花を咲かせていたこともある。。懐かしいという気持ちが先に立ってしまう。 写真39枚目は温帯睡蓮「ワンビサ」。オレンジ色と黄色の2種類の花が同じ株から咲く。稀に、この2つの色が同じ1つの花の中で咲き分けとなることがある。右がオレンジ色で左が黄色という具合。 写真40枚目は「オニバス」。オオオニバスと名前は似ているが、日本に自生する別の睡蓮である。オオオニバスやパラグアイオニバスとちがって、葉の先端部分が折れ曲がって直立することはない。 毎年7月末になると、彦根城の堀にオニバスが出現して花が咲いたというニュースが流れたものだが、最近は聞かない。絶えてしまったのだろうか……。全国的に少なくなっているようである。 オニバスの花はやや小型で、明るい紫色である。棘だらけの葉の表面を突き破って水中から突き出してくる感じだ。花芽(茎?)も鋭い棘でびっしり覆われている。 今回の写真のリストを以下に挙げる。
|