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三重県の桜(2008/02/11)
 
 先日、NHKの放送で三重県の尾鷲市で河津桜が満開になっているというニュースが流れたと教えられた。これはぜひ見に行かねば、と思っていたのだが、三連休の初日に大雪となり、翌日も車で滋賀県から国道1号線を鈴鹿峠越えで三重県に抜けることができなかったので断念したのだった。しかし、3日めの今日(11日)、天気予報を見ていると冷え込みもそれほど強くはなくて、日中の気温もそれなりに上がるということだった。昨日(10日)にも気温はかなり上がっていたので、もう道路の凍結の心配はないと確信して、朝8時半ころに草津市を出発した。

 鈴鹿峠の滋賀県側の甲賀市土山町付近では、やはり道端にはかなりの雪が残っていたが、気温が上がっていたので凍結はしていなくて、安心して三重県側に抜けることができた。

 さて、NHKで放送されたの河津桜というのは、あとでネットで検索してみると、ブログで何人かの人がふれているのを見つけることができた。中部電力の保養所であった「天満荘」という建物……今はふだんは使用していない……の庭さきにある一本の桜の木がもう満開になったということらしい。天満荘は、初めて訪ねてゆくとちょっと見つけにくい場所にあった。一度通り過ぎてしまいそうになって、引き返した。

 写真の1〜9が天満荘の庭の桜である。しかし、私個人の見解だが、この桜は河津桜ではない、と思われる。熱海桜などに代表される「寒桜」の特徴がそのまま出ている。やや俯きかげんに開く花弁と、うっすらと曇り気味の花弁の色。それに、ぼってりとした樹肌と枝の丸みを帯びた木質……これらは河津桜にはない特徴である。河津桜は、もっと花弁の色が明るくて、俯くだけでなく、空に向かってパッと開く場合もあるし、苔むしたような樹肌にはならない。幹には苔が生えているところを見ても、かなり古い木であることはまちがいないようだ。河津桜はまだ発見されてから40年ほどしか経っていないので、この写真のように老木に見えるというのはおかしい。河津町にある原木の樹肌は、もっと若々しくて盛り上がるような樹勢を示している。

 写真9〜19は、尾鷲神社の境内に植えられていた桜である。名前を書いた立札などは見つからなかったのだが、この桜のほうが河津桜に近いと思う。この桜はまだ植えられてから10年ほどしか経っていないように見えるのだが、樹肌は若々しく光沢があり、花弁も明るいピンク色で透きとおるような雰囲気をもっている。初めて河津桜に逢ったと思った。尾鷲神社は荘厳な雰囲気をもった社で、庭には大きな楠が夫婦杉のように生えていた。

 最後の2枚の写真は、志摩市大王崎波切小学校の近くにある大滋寺(あじさい寺)に咲く河津桜である。こちらの桜は河津桜であることはほぼたしかである。先代の住職である典嶺和尚が河津から送られた桜を育てたものだという。まだ咲きはじめだったのが残念。23日頃にはライトアップが行なわれるらしい(雨天中止)。数本が塀に囲まれた境内に植えられている。

 尾鷲から大王崎、そして、伊勢神宮内宮に寄っての、走行距離約480キロの桜旅だった。

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