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蓮の品種名=ミセス・スローカム

品種名は「ミセス・スローカム」であるが、これは現地のラベルそのまま。しかし、この品種名はまちがっている。1つ手前の写真が「ミセス・スローカム」。ラベルがまちがっているのではどうしようもないのだが、花蓮見本園というのが愛知県立田村にあって、30種類以上の花蓮が植えられている。「立田赤蓮」と呼ばれる種類の蓮が古来栽培されており、珍しい蓮として花蓮愛好家のなかでは有名な品種である。町がこの赤蓮のほか30種類ほどの花蓮の品種見本園を管理しているのだが、品種を記したラベルがまちがっていたり、蓮の根(蓮根)が隣の品種の枡に入り込んだりして、品種が混じりあってしまっている。一度手を入れてもらいたい。

蓮の品種管理はたいへんむずかしく、品種がわからなくなってしまったり、まちがってしまっているケースが多い。花蓮で町興しをしようということでプロジェクトがはじまった公共の施設もいくつかあるようだが、うまく軌道に乗って続けて運用管理されているところは少ないようである。日本の花蓮は古来の伝統的な品種も含めてぜひ保存してもらいたいと思うのだが、東京大学の研究施設にしても西東京市への移転のあとは保存研究に力が入っていないような気がする。経費がかかるのでたいへんな事業だと思うが、文化を保存育成するには一定の費用がかかるのは当たり前で、分か果つるところ国も滅ぶのではないかと危惧する。

蛇足だが、この写真の品種が何であるのかは、私にはわからない。近くに植えられていた、例えば「立田赤蓮」ではないか、というくらいである。花蓮の品種同定はむずかしく、ある寺に門外不出として守られてきた蓮が別のところのおなじように管理されていた蓮とおなじ品種であった、というケースもある。今後の研究によって、花蓮の品種管理が進み、国内の伝統的な花蓮の品種が整理されることを期待する。

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