バラ園の感想

 今までに訪ねたバラ園についての感想を思い出すまま並べてみました。   もどる

施 設 名
所在地
感     想
京成バラ園
千葉県

 日本のバラ園芸の世界を常にリードしてきたバラ園。故鈴木省三氏の研究成果をもとに、現在も新品種の作出を続けている。商業的なバラ園であるにもかかわらず、原種からイングリッシュ・ローズまで、さまざまな分類のバラがかなりの数植えられている。とくに原種のバラにはゆったりとしたスペースが当てられていて、このバラ園の懐の深さを実感した。このバラ園のトイレは広くて清潔である。園内には休憩施設があるだけで、レストランなどは門の外にある(入口で「再入園」スタンプを押してもらってレストランに行き、その領収証を提示すれば再入園が可能)が、おにぎりと水筒でも持っていけば、一日ゆっくりとバラに親しむことができる。私が2回目に訪ねたとき、温室では、京成バラ園芸作出のバラを一堂に集めて展示していた。「希望」「聖火」「かがやき」「宴」など、多くのバラがこの京成バラ園芸より世界の舞台に飛び出していった。2004年の5月、3度目の来訪。今年はバラの開花が早く、原種のバラのなかにはもう散りはじめているものがかなりあった。昨年よりはやや早かったので、ロサ・ギガンテアなどがまだ咲いていて、嬉しかった。

 2006年の春に訪ねたとき、左手の奥の原種の薔薇が植えられている場所からさらに左手に進んで、ぐるっと池をまわってみた。ちょうどいちばん遠いところには十六夜薔薇が植えられていた。花の形が十六夜の月に似ているということで、花が咲いてもパアッと広がらないのが特徴なのだが、やや薄暗い樹の下の空間に伸び伸びと枝を広げた十六夜薔薇の木があって、花がこぼれるように咲いていた。不完全なかたちに開くこの薔薇が、私はかなり気に入っている。(2006/11/20追記)

 2008年、2009年とも、「おはようバラ園」という早朝入園企画を利用して訪れた。ハイシーズンの土日を3週ほど、朝6時にオープンするというものである。入園料金はやや高くなるが、モーニングサービスのついたチケットもあり、なかなか好評らしい。しかし、ここ2年とも、ずっと雨に降られっぱなしだった。一日中雨である。2年連続だったが、これにはまいった。カラッと晴れた空を背景にして蔓バラを撮りたいと思う。 (2009/06/30追記)
神奈川県立大船フラワーセンター
神奈川県
 原種、オールド・ローズが多く集められている。系統別のすっきりした説明版があり、これを読むだけでもバラという花の歴史がほぼわかってしまうほどだ。バラ園の外周をつるバラで纏め上げているのはさすが。このフラワーセンターにはそのほかの植物もブロックがうまく割り振られているので、効率よく鑑賞できる。また、温室の熱帯睡蓮はその種類も生育状況もたいへんよく、一見の価値あり。きれいな熱帯睡蓮を見ることができる植物園は限られているが、この大船のフラワーセンターはそのひとつに入るだろう。山椒バラのかなり大きな樹が数本あるが、この樹の幹と葉っぱをいくら眺めても、鮮やかなピンクの大輪の花が咲くことは予想できないだろう。2004年5月に再訪した。朝から雨になったが、原種のバラが咲き揃っていて、楽しめた。この時期、芍薬園もみごとだった。
 この薔薇園の外周を飾っている蔓薔薇はみごとだが、その手前に植えられている各種の薔薇が、散策路からはやや遠いので、なかなか個々の花を間近に見られない憾みがある。(2004/10/19追記)

 このバラ園には、「鎌倉」という品種があるというが、私はまだ見ていない。最近は、佐倉草ぶえの丘バラ園や京成バラ園に直行してしまうので、寄っていない。そのうちにじっくりと半日ここで過ごしたいと思っている。 (2009/06/30追記)

花フェスタ記念公園
岐阜県

 日本一のバラ園を自称するだけあって、その栽培品種数は1,603という。この圧倒的な数のバラがすべて同一時期に咲くわけではないが、いつ行ってもかなりの数の品種のバラが咲いているのは、バラ好きにとっては嬉しいかぎり。バラ園はとても広くて、品種数が多いのはもちろんだが、その分類も多岐にわたっていて、ほとんどのグループのバラが集められている。ただ、あまりにも品種数が多いせいか、バラ同士が近くにありすぎて、せっかく立てられている名札がどのバラを指しているのか特定できないケースが相当数ある。名札の位置は再考をお願いしたい。このバラ園には原種やそれに近いオールドローズがたくさんあり、また、近年流行っているイングリッシュ・ローズもそのほぼすべての品種をカバーしている。このバラ園に行くと、一日があっという間に過ぎてしまう。気がつくと、あたりはもう薄暗くなりはじめていて、慌てて帰る準備をすることもあった。秋バラの時期は午後4時にもなると光の量が極端に減って、ほとんど撮影ができなくなる。しかし、そんなときには写真を撮ることは素直に諦めて、ただぼうっとバラを眺めることにしている。バラの花が、その深い緑色も併せて夕闇に静かに沈んでゆくのは、最も心慰められる光景だ。

 この花フェスタ記念公園では、来春に「花フェスタ岐阜2005」を開催する予定で、現在準備が進められている。今までは日本一の薔薇園と称して頑張ってきたが、今後は世界一の薔薇園を目指すという。植栽する品種数も約7,000と、日本の薔薇園の常識を覆す多さだ。場所は、現在の薔薇園ではなくて、西ゲートを入ったほぼ正面の位置になる。「花フェスタ岐阜2005」は2005/03/01開幕であるが、開幕当初はまだ薔薇の花には会えないだろう。切り花などは展示されるかもしれないが、4月下旬の原種の薔薇たちが咲きはじめるのをじっくりと待ちたい。この花フェスタ2005岐阜の会期は6月初旬まで。先日秋薔薇を見に行ったときに、期間中フリーとなる入場券(3,000円)を買ってしまった。(2004/10/19追記)

 また、この薔薇園では、現在の薔薇園の整備にもちゃんと力を入れていることがわかって、嬉しかった。先日訪ねたときに、広島産の薔薇がかなりの数植えられていた。広島アピール、ローズ福山など。このような試みはぜひ今後ともつづけていってほしい。(2004/10/19追記)

 2006年は、新装なったこの薔薇園に何度も通った。150キロの距離はたしかに遠いといえるのだが、苦にならなかった。まだ見たことのない薔薇に会えるかもしれないという期待が、私を可児の地に運ぶのだった。世界のバラ園と称する、最初からある地域でも、薔薇の種類は確実にふえている。左手の奥のスロープの下の最も低い場所にはハマナシなどの原種の薔薇がまとめられているのだが、そこにも新しい薔薇の苗が植えられていた。野球場をつぶして新しく作った7,000種類の薔薇を植えたところだけでなく、薔薇園全体を常に更新しようとしているところに好感が持てる。原種の薔薇もたくさん植えられているので、従来の原種の谷だけでなく、薔薇園全体をチェックしたい。(2006/11/20追記)

 昨今では植物園にたいする行政の力の入れかたが変わってきていて、予算が削減されているところが多いようである。花フェスタ記念公園でも事情はおなじで、そのために、バラ園の手入れにかかる人件費が確保できないらしい。バラの植栽株数が半分ほどに削減されたという話を園内で写真撮影中に聞いた。7,000種類ものバラが植えられているバラ園は、日本国内ではここ花フェスタ記念公園だけである。岐阜県には自負と矜恃をもって運営してほしいものだ。(2009/06/30追記)

 2019年の秋、西口を入った正面のエリア一帯が全面リニューアル工事に入った。2020年3月に工事が完了する予定だったと思うのだが、2020年2月から新型コロナウイルスの感染が拡大したため、閉鎖されたままになっている。このバラ園には「原種の谷」というエリアがあって、モッコウバラやカナリーバードなど、野生種の薔薇がたくさん植えられているのだが、今年はもうピークを過ぎていることだろう。残念であるが、新型コロナウイルスの感染が落ちつくのを待つしかない。モダンローズも、そろそろピークを迎えるはずで、今年はとくに桜など春の花が早く開花したので、モダンローズのピークも早いと予想される。7,000もの品種があるので、6月になってもまだまだ咲いている薔薇は多いと思うが、ぜひともリニューアルされたエリアの薔薇を見たかったので、心残りではある。(2020/05/14追記)

伊丹バラ園
兵庫県
 伊丹市立のバラ園。無料で公開されているのが嬉しい。HT系の大輪の品種が多く、近隣に住む人々の憩いの場になっている。広島アピールなど、広島産の品種を知ったのはここが初めてだった。駐車場とバラ園とは陸橋を隔てているので、車で訪ねる場合には注意が必要。バラの盛期には駐車場への入り口付近にガードマンが配置されるのでまちがうことはないだろう。駐車場は有料。

 2019年の秋に訪れたが、品種名のラベルが消えたりなくなったりしていたのが目について、残念だった。近くの幼稚園や保育園などから集団で薔薇を見に来ている姿がいつも目についていた。バラ園の中央に広場があって、かなりの人数を収納することができる。(2020/05/14追記)

ローズガーデンG
岐阜県
 日本ではここだけではないかと思われる、温室内にてバラを展示しているバラ園。岐阜県は日本一のバラ生産県で、このバラ園には皇室関連の訪問も過去にあったようで、皇室にちなんだバラのコーナーがある。露地のバラが寂しくなる11月ころからがこのバラ園の本領発揮となる。温室で育ったバラは、露地のバラに比べると色がやや薄いが、大輪に育つ場合が多い。日本ではこのバラ園でしか公開されていないという「ラプソディー・イン・ブルー」もある。青紫色の印象的なバラである。このバラは、しかし、2003年になって、各地のバラ園に出まわるようになった。花フェスタ記念公園でも多く販売されており、安曇野のローズマジックでも植えられているのを見た(咲いていた)。ふつうのバラ園にはまず見られない切花も、かなりの数が集められている。

 日本ではここだけでしか見ることができないと、「ラプソディー・イン・ブルー」を当初は紹介したが、最近では数か所のバラ園で見ることができるようになっている。花フェスタ記念公園、浜寺公園、谷津バラ園、中野市バラ公園、京成バラ園、国営越後丘陵公園、山梨県フラワーセンター……。すこし明るいめの紫色の花は、遠目にもハッとするくらい新鮮に映る。(2009/07/01追記)

 このバラ園は、2005年に閉園してしまった。温室内で薔薇を見ることができる、ちょっと変わった趣向のバラ園だったので、残念である。(2020/05/14追記)

ロックローズガーデン
静岡県

 1,000を超える品種のバラが集められているというバラ園。かつて修善寺の町なかにあったのを移したらしい。このバラ園は開園後、一度経営者が変わっている。バラの育て方教室などもやっているらしい。このバラ園にはオールド・ローズがかなりある。花の色によって分類された現代バラが植えているので、ブロックごとの彩りを楽しみながら緩やかな斜面を上ってゆくという趣向だ。修善寺サイクルスポーツセンターの隣にあるので、場所はわかりやすいだろう。上段の敷地にはつるバラがたいへん大きく育っていて、圧巻である。その奥のもっとも高台となっているところにはカフェがあって、ローズヒップティーなどを飲むことができる。カフェの前からは、晴れていれば雄大な富士山が見える。大きく仕立てられた蔓バラの林のかなたに浮かぶ富士山はさぞ綺麗だと思われるが、私はまだ見たことがない。イングリッシュ・ローズもたくさんある。ただ、名札には品種名しかなく、補助的な説明がもうすこしあれば嬉しいのだが……。バラ園で栽培展示しているバラの品種のリストやその解説書など、簡単な体裁のものでいいのでぜひ販売してほしい。

 この薔薇園は、地元の造園屋さんが引き継いで経営していたのだが、ついに閉園してしまった。ラベルはちょっと貧弱だったが、綺麗な薔薇がいつも咲いていて、さらに天気が良ければ富士山も眺めることができる、すばらしいロケーションの薔薇園だった。丘の上の喫茶コーナーではハーブティーなどもあり、ゆっくりと休憩することができた。修善寺サイクルスポーツセンターの隣にあったのだが、ここまで薔薇を見に来る観光客がほとんどなかったのが実情らしい。薔薇の育てかたなどの講習会も開催していたというが、それだけではどうしてもやっていけなかったのだろう。惜しまれる。
(2006/11/20追記)

 このバラ園でのバラの写真は、2002年〜2003年の2年間だけで、約700枚を撮影した。(2020/05/14追記)

河津バガテル公園
静岡県
 花フェスタ記念公園と同じくらいの品種数を誇るバラ園。伊豆半島の南部、花の町河津町にある。パリの同名のバラ園を模した造りになっているが、建物までほぼすべてを同じように作り上げたという。京成バラ園から多くのバラが入っているのか、関西に住む私には珍しい品種が多く植えられている。今まで、このバラ園を訪ねたのは3回だが、すべて雨であった。雨の日のバラには独特の風情があって楽しめるものだが、いつ訪ねてもすべて雨、というのは個人的にはちょっとどうかと思う……。一度くらいキッパリと晴れてほしい。河津町には花菖蒲園も5月には開園するので、両方を楽しむことができる。バラ園の入園料金は、通常料金が大人1,000円。ホームページから割引券を印刷して窓口に提示するか、河津町の宿泊施設などでもらった割引券を提示すれば900円になる。交通は、伊豆急河津駅からバガテル公園行きのバスが出ている。車だと、沼津インターより約90分。

 最近は訪れていない。芝生の中に植栽されたバラはやや遠いものもあり、写真に撮るのがつらいところも。京成バラ園芸から導入されたバラがたくさん見られる。本国フランスのバラ園を模して作られたというだけあって、独特の雰囲気を有っている。(2009/07/01追記)

大野町バラ公園
岐阜県
 大野町が管理する公園だが、バラの花で埋め尽くされている。一般の公園なので、入場は無料。HT系の大輪の現代バラが多いが、つるバラをアーチに仕立ててあったり、それなりの工夫が見られる。地元の人しか行かない小さな公園だが、管理が行き届いていてきれいだ。夕方に学校帰りの人がトランペットを吹いていたのが印象に残っている。地図などであらかじめ公園の位置を調べておいてから出かけたほうがよいと思う。すぐ近くまで行けば、幟(旗?)が風に靡いているのでわかる。

 2019年の秋、久しぶりに訪ねた。1つの品種がかなり多く植えられていて見応えがあるのだが、品種名のラベルのないものが多く、残念である。(2020/05/14追記)

京阪枚方パークバラ園
大阪府
 「東の京成」に対して「西の京阪」と呼びたくなるのが、京阪園芸の品種を多く植えている枚方パークのバラ園。中国系のバラをけっこう集めているのが特徴。原種も多い。この枚方パークは京阪地区の最大級の遊園地だが、ここのバラ園の充実ぶりは意外だった。2・3年前にリニューアルして、昔を知るバラファンにはかなりの驚きを与えたらしい。

 最近は訪ねていない。車で行くと、入園料のほかに車の駐車場代金が必要となる。

 2019年の5月に久しぶりに訪ねた。当日、有名な育種家のイベントがあって、園内を歩きながら解説されていた。バラ好きの人たちで賑わっていた。枚方パークのなかにあるので、バラ園としてのエリアは拡大などはできないのだろうが、それでも近年作出された新しい品種も植えられており、いつ行っても新しい発見がある。(2020/05/14追記)

守山市立バラ・ハーブ園
滋賀県

 守山市が運営管理するバラ園とハーブ園。無料で鑑賞できる。イングリッシュ・ローズを多く植えていて、いわゆる現代バラがあまりないという、ちょっと変わった毛色のバラ園。ベゴニア温室も楽しめる。いつ行ってもそれほど混んでいたことはなく、じっくりとバラを眺めることができる。初夏のアンジェラはみごとに咲き盛る。
 ここのハーブ園も充実しているので、ぜひ時間にゆとりを持って訪ねたい。ふだんはその実物を見ることのないハーブがたくさん並んでいる。(2004/10/19追記)

 この薔薇園は、2005年度から有料となった。それまでは、ちょっと時間があるとき、傍を通りかかったときなどに気軽に立ち寄れる薔薇園だったのだが、有料になってからはそういう楽しみかたはできなくなってしまった。薔薇の手入れも、秋にはなかなか手がまわらないのか、あまり綺麗に咲いているという状況ではなくなっている。残念だ。
(2006/11/20追記)

 5年ほど前に訪ねたのが最後になっているが、2019年に閉鎖されていることを知った。守山市の運営方針の変更があったのかどうか……。有料になったとはいえ、私の自宅からは近いので、ちょっと覗いてみようという気持ちになる、手作り感のあるバラ園だったので、残念である。(2020/05/14追記)

近江花緑公園
滋賀県
 銅鐸博物館の近くにあるバラ園。ここのバラはやや手入れが悪い。虫が多くついていて、花そのものを純粋に観賞するにはちょっと辛いものがある。HT系の大輪四季咲き性の現代バラがほとんどで、敷地の隅につるバラがいくつかある程度。名札のついていないバラがかなりあって、品種名を知りたい人には不向き?

 2019年の春に久しぶりに訪ねたが、モダンローズのエリアにはラベルがほとんどなく、薔薇の植栽そのものもかなり荒れていた。管理棟の近くにモッコウバラがあって、これは綺麗に咲いていた。(2020/05/14追記)

京都府立植物園
京都府

 植物園の中にバラ園があり、かなりの古木がたくさんある。つるバラのコレクションもなかなかのもの。京都らしく、京阪園芸作出の京都にちなんだ名前の品種が多く集められている。「洛陽」「鞍馬」「高雄」「伏見」「洛北」「北山」「桃山」「加茂」「金閣」「貴船」「嵯峨野」「大文字」など……。このバラ園にも原種やオールド・ローズは少ない。古い時代にはそのようなバラはわざわざ見せるものではないという考え方があったのだろうか……。春に訪ねたことがないので、一度行ってみたいと思う。

 先に、古い時代の薔薇があまりないと書いたが、もちろん植物園でもあるので、それなりに抑えてはある。十六夜薔薇のかなりの古木があるのだが、残念ながら名札がないので確認はできない。これらの古い時代の薔薇たちが、やや陽当たりの悪い区画に植えられているのが惜しまれる。(2004/10/19追記)

 ここには、ハマナシとドッグ・ローズとサンショウバラがある。サンショウバラにはラベルがついていないが、これをほかのバラとまちがえる人はまずいないだろう。しかし、ラベルがついていないことはたしかである。これから薔薇に興味を持つことになるであろう人たちのためにも、ラベルは定期的に点検して、整備していってほしい。この秋、春にはロープが張られていて入れなかった区域にも足を踏み入れることができた。奥まったところに植えられている蔓薔薇などがまったく見えなかったりして、そういうところが不満だったのだが、粋なはからいで嬉しかった。(2006/11/20追記)

 昔からあった、ハマナシやサンショウバラの植えられた一角が、消えてしまった。別の植物を植えるのだろうか、アーチのようなものが整備されつつある。教材園としての機能を持っているのが植物園のひとつの特徴であろうと思うのだが、バラの基本的な品種を失くしてしまうのはいったいどういうことなのだろう。新しい植栽場所を考えているのかもしれないが、今のところそのような兆候はない。寂しいことだ。(2009/06/30追記)

 ここは桜の植栽が見事であるし、最近はとくに力を入れているように思われるが、薔薇に関しても、新しい品種を導入するなど、充実している。2020年は新型コロナウイルスの影響で春の桜と薔薇が楽しめないのが残念である。(2020/05/14追記)

大阪府立花の文化園
大阪府

 原種やオールド・ローズがかなりある。珍しい品種も多い。大阪府の南部、河内長野市にあるが、近畿地方では最も南に位置するバラ園だと思われる。車で行ったほうが便利なところにある。駐車場の経営は河内長野市で、花の文化園は大阪府の施設である。

 この薔薇園は、花の文化園の最も右奥に位置している。そのせいか、あまり人が来ないので、ゆっくりと薔薇を楽しむことができる。ここでは作業をする人の姿を見かけたことはないが、いつも綺麗に整備されている。(2006/11/20追記)

 作業する人の姿を見かけたことはないと書いたが、2009年に訪ねたときには、数人の方が作業中だった。ここのバラ園は2段になっていて、上段には古い品種が植栽されているのだが、半分ほどがクレマチスなど、ほかの花になってしまった。残念である。(2009/07/05追記)

 このバラ園の品種名のラベルは、白いセルロイドの幅の細い札のようなものをぶら下げているだけのものがけっこう多い。古くから展示されていた品種らしいのだが、知らない人にはわかりにくい。片仮名だけの品種名から、実際の花の色や形を見て、本来の品種名を予測するのはなかなかむずかしいのだが、いくつかは、これだとわかったような気になったものがある。そういう目で見ると、それなりに楽しめる。(2020/05/14追記)

大阪市立長居公園バラ園
大阪府
 大阪市内にある、公園内のバラ園。このバラ園には原種がパラパラとある程度で、イングリッシュ・ローズやオールド・ローズはない。このバラ園で、アイス・バーグがシュネービッチェンの別名であることを初めて知った。
岡山市立半田山植物園
岡山県
 斜面を利用したバラ園。岡山大学のすぐ近くにある。通路から植え込みの中に入ることはできないので、目的のバラの花に近づけない憾みがある。通路を工夫するか、踏み込んでもいい領域をもうすこし増やしてほしいと感じた。
RSKバラ園
岡山県
 現代バラを華麗に展示するバラ園。訪ねたのは11月の初めだったが、かなりのバラがまだまだきれいに咲いていた。放射円状に配置されたバラは、ひとつの品種の数が圧倒的に多く、それだけでも見応えがある。
広島市植物公園
広島県
 広島市立の植物園で、実にさまざまな植物が植えられている。バラ園は園内の奥まった場所にあり、斜面をうまく利用している。原種やオールド・ローズもかなりの数がある。近畿や関東のバラ園にはない品種がかなりあった。広島県、あるいは岡山県地方で作出された品種も相当数あるらしい。
広島バラ園
広島県
 民間のバラ園。苗の育成・販売をしているが、ここの苗は非常に元気でよく育つという評判である。露地のほか、一部温室にもいろいろなバラがある。広島市内からはひとつ山を越えたところにあるが、幹線道路から車一台しか通れない道を入るので、注意が必要。
福山市立バラ公園
広島県
 福山市立のバラ公園。形態はふつうの公園なので、誰でも、いつでも無料で利用できる。バラ園はよく整備されていて、朝から散歩している市民の姿が多く見られる。現代バラがほとんどでとくに珍しい品種というのはないが、作出国ごとに分類した展示があって、ふだんは作出国を意識しないので、これはありがたかった。
兵庫県立加西フラワーセンター
兵庫県
 現代バラを中心とした展示。原種が一部ある程度。ナニワノバラの巨大なのが背後の斜面に広がっている。フラワーセンターの中にあるのだが、バラ園は大きな池の向こう側に位置しているので、アプローチがやや長い。

 2019年の秋に久しぶりに訪ねたが、秋薔薇はやや寂しい咲きぶりだった。(2020/05/14追記)

兵庫県立播磨中央公園バラ園
兵庫県
 広大な県立公園の中にあるが、駐車場をまちがえるとかなり歩かなければならないので、公園の地図を確かめてから車を離れるほうがいい。ほぼ現代バラのみのバラ園。有名な品種を多く栽培していて、同じ品種のバラを園内の何箇所かで見せてくれる。つるバラをアーチ上に仕立てた通路があるが、みごと。しかし、品種名のわからないバラがけっこうあって、残念。
姫路ばら園
兵庫県

 姫路市の外れにある、民間のバラ園。数百種類のバラがあって、それほど広くない敷地の中いっぱいに咲き盛っている。園内はよく整備されていて、どの花もきれいに咲いている。つるバラはバラ園の外周に配置されているが、園内に入るとその姿がほとんど見られない。これはちょっとふしぎだ。このバラ園では、ラ・フランスが多く植えられていて、その花がじつにみごとに咲いていたのが印象に残っている。ラ・フランスはあまりきれいに咲くことがなく、パッと咲いたのを見た記憶は、よそのバラ園では皆無に等しい。

 この薔薇園の隣には珈琲の焙煎工場があって、風向きによっては珈琲の香りが薔薇園全体を覆いつくしてしまうほどに感じられる。珈琲好きには苦にならないだろうが……。ここの薔薇園のラベルには、カタカナだけのシンプルなものもけっこうある。ちょっと不親切かもしれないが、ある程度の知識があればあまり問題にはならないだろう。
(2006/11/20追記)

伊豆七瀬バラ園
静岡県
 伊豆半島の南端西伊豆町にある個人経営のバラ園。志を入れて鑑賞する。原種やオールド・ローズがたくさんある。品種名がわかりにくいものもある。つけられている名札も名前のみで、バラに関してまったくの初心者であれば不安だ。このバラ園では無農薬のバラ栽培を提唱しており、その成果はこのバラ園の生育状況に現れているようだ。それぞれのバラは無造作に植えられているように見えるほど、よく茂っている。
大阪市立中之島公園バラ園
大阪府

 大阪市の中心部、中之島公園の中にあるバラ園。大阪市が管理運営している。手入れはたいへんよく、現代バラが植えられている。残念なのは、この公園は出入りが自由なので、ホームレスの人たちが大勢住み着いてしまっていることだ。テントを張ってほとんど定住している雰囲気なので、バラを見に訪れた人は一様に驚いている。公園内のベンチもほとんどこの人たちに占拠(?)されているので、ちょっと休んでいくこともできない。このバラ園ではひとつの品種が数多く植えられているので、ある品種のさまざまな表情を楽しむことができる。

 昔からのスタイルの薔薇園だとばかり思っていたのだが、世界バラ会議が大阪で開催されるのに合わせて、2005年にリニューアルされた。それまではまったくといっていいほど植えられていなかったオールド・ローズなどもかなりたくさん導入されている。世界バラ会議の開催に合わせて、市内の5ヶ所の薔薇園が同時にリニューアルされた。
(2006/11/20追記)

 2018年まではこのバラ園で毎年かなりの枚数を撮影していた。一般の公園なので出入り自由であるし、勤めていた会社からも近かったので行きやすかった。オールドローズローズからモダンローズまで、年代順に綺麗に植栽されているので、散歩するだけでも楽しくなる公園である。ただ、2020年の春は新型コロナウイルスの影響で、府県を越える移動の自粛が要請されていることもあって、見に行けないのが残念である。薔薇の写真は全体で約30万枚あるのだが、このバラ園が約2万枚である。(2020/05/14追記)

島田市立バラの丘公園
静岡県
 島田市内からは外れた山裾にある。国道一号線のバイパスから近い。HT系のバラがほとんど。「ミス島田」という独特の品種がある。温室もある。斜面地をうまく利用したバラ園。原種のハマナシもすこしだけある。
大阪市立鶴見緑地公園
大阪府

 花博跡地が公園になっていて、その中にあるが、公園の入り口からは奥まった場所にあるので、すこし歩かなければならない。HT系のバラがほとんどだが、一部原種やオールド・ローズもある。バラの歴史がわかる説明版も設置されている。ただし、原種系のバラが植えられているコーナーは手入れがあまりよくなくて、名札もほとんど雑草に隠れて見えなくなっているものがかなりあった。また、名札の立てられている位置は中途半端で、いったいどのバラを指しているのかがわからないものも多くあった。この公園内にある「咲くやこの花館」には熱帯睡蓮がたくさんあり、また、「ヒマラヤの青いケシ」も年中咲いている。

 ここの薔薇園の警備体制には少なからず疑問を感じてしまう。常に警備員が配置されているのだが、ちょっと通路をはみ出そうものならハンドマイクで怒鳴られてしまうのである。これではいけない。監視されているというような感覚を抱いてしまう。これではリラックスして薔薇を楽しむことができない。市内にはほかにも薔薇園があるのだが、なぜかこの薔薇園だけがそういう警備体制になっているようだ。(2006/11/20追記)

おふさ観音
奈良県
 ほぼすべてのバラを鉢で育てているお寺。品種の数も半端ではなく、数百はあるようだ。さらに、鉢なのに、その花が非常に元気で大きいのが特徴。アンジェラのあんなに大きな花はそれまで見たことがなかった。2003年の秋に訊ねたところ、現在ではもっとも青いバラだと評価の高い「青龍」が植えられていた。2002年は鉢植えのものがほとんどだったと記憶しているが、地植えのバラもかなりふえており、また境内のバラのレイアウトも一部変更されているようすだった。
軽井沢タリアセン
長野県
 避暑地軽井沢にあるバラ園。2002年の秋に訪ねたが、花があまり咲いておらず、がっかりした。バラ園の手入れもほとんどされていないようす。イングリッシュ・ローズがかなりあった。春(初夏)に訪ねるのが正解かもしれない。
霊仙寺バラ園
奈良県
 奈良県にはたくさんの寺があるが、バラを見せてくれるところはこの霊仙寺とおふさ観音くらいだろうか……。現代バラばかりだが、整然と同一品種がかなりの数植えられているので、ボリュームはある。ブラック・ティーやジュリアなど、私の好きなバラがけっこうたくさんあった。

 以前訪ねたときは無料だったと記憶しているのだが、2019年の秋、久しぶりに訪ねてみると、有料になっていた。薔薇の管理はよく行き届いていて、綺麗に咲いていた。初めて訪ねたのが2002年で、2019年まで期間が空いていた。ここでは約600枚撮影している。(2020/05/14追記)

伊勢神宮会館バラ園
三重県
 バラの品種数は決して多くはないが、たいへん手厚く世話がされているのだろう、どのバラも大きな花を綺麗につけていた。バラ愛好者たちが集まってこのバラ園の整備をボランティアでやっているらしい。白色のバラの花は花弁が痛みやすいためか、花の上に棚が設けられていた。入園料・駐車場料金とも、無料。駐車場は、伊勢神宮内宮の駐車場を利用する。係員にバラ園に行くことを申し出れば親切に対応してくれる。このバラ園には宗教的な色あいはまったくなく、伊勢神宮の敷地の中にあるのに別世界にいるような錯覚を覚える。居心地はよい。
浜松市立フラワーパーク
静岡県

 ごくふつうの現代バラのコレクション。温暖な気候のせいか、咲きはじめるのが早い気がする。4月下旬に訪ねたとき、すでに開花しているバラがかなりあった。

 ここの薔薇は、品種はオーソドックスなものばかりだが、薔薇のほかにも、たくさんの桜の品種を維持管理しているので、一見の価値あり。(2006/11/20追記)

高根山バラ園
三重県
 三重県の山中にある個人管理のバラ園。さまざまなバラが所狭しと植えられている。入場料というものはなく、バラ好きの来園者には快く見せてくれる。自分の楽しみのためにバラをたくさん集めているうちにバラ園の体裁をなすようになってしまった、といった趣きがある。私が訪ねたとき、他の人には出会わなかったが、地元の人以外でここを訪ねてくる人はどれほどいるのだろうか……。

 このバラ園は、2002年に訪ねている。竹を割って札状にしたものに品種名が書かれていた。片仮名だけの名前なので、どの薔薇なのかわからないものもけっこうある。もう閉園してしまっているが、個性的なバラ園で、来る人をおおらかに迎えてくれただけに、残念である。観光名所である、「志摩スペイン村、パルケイスパーニャ」のすぐ近くにあった。(2020/05/14追記)

ローズマジック
長野県
 豊科町にある高山植物の温室も併設されたバラ園。イングリッシュ・ローズもある。私は秋の時期に訪ねたが、綺麗に咲いていた。園芸用品や草花の苗なども併設の店舗で販売しているので、バラや高山植物を眺めたあとで、気に入ったものを買って帰るという向きには便利なところだ。バラの手入れはなかなかよく、品種の説明案内板もちょっと工夫されていて、好感が持てる。ただ、あらかじめある程度の知識がないと正確には品種を見分けられないだろうと思われる。
中野市バラ公園
長野県
 信州中野にある市立の公園にバラの花がたくさんあって、5月末にはバラ祭りが行われる。2003年は5月31日〜6月1日だった。多くのバラが植えられているが、そのほとんどに名札が付いていなかったのが残念。植物園的なバラ園を目指したものではないのかもしれないが、やはり名札はあったほうが親切ではないだろうか……。このバラ園には、オーナーバラのコーナーがあって、そこに植えられているバラには名札が付いていた。このバラ園で、現在もっとも青いバラに近いとされている「青龍」を見つけ、今まで一株もバラを持っていないくせについ買ってしまった。5月31日に買ってきた「青龍」は、そのあと2番目の花が咲き、秋バラの時期になった今は咲かないでいる。
 長野県の知人から聞いたところによると、2004年にはこのバラ園の多くのバラに名札が付けられたということだった。私も電子メールで一度要望として送ったことがあるのだが、おなじような要望が多かったのかもしれない。迅速な対応に感謝したい。(2004/10/19追記)

 バラ園としてはどんどん拡大されていて、イングリッシュローズもたくさん植えられている。わりと古いバラ園エリアにあるラベルは消えかかって判読不明のものも多くなってきている。そのうちにまた整備されることを期待している。(2020/05/14追記)

都立神代植物園
東京都

 ここは東京都屈指の植物園で、じつにさまざまな花が咲いている。バラ園はきれいな方形スペースに配置されており、遠くから眺めても美しい。12月に入ってから訪ねたことがあるが、もちろんそのときには花は咲いているはずもなく、寂しいかぎりだった。掲示板などの書き込みを読んでいると、原種の薔薇もたくさん揃っているらしい。2003年の春は京成バラ園に行ったあと大船のフラワーセンターまで走っていしまったので、神代植物園に寄ることができなかった。いつかまた春の時期に訪ねたい。

 春にも、桜のあとにここの薔薇園を訪ねたことがあるが、オールド・ローズがけっこう咲き揃っていて楽しめた。原種もそれなりに収集されていて、こんな薔薇もあるのかと、来園者は一様に驚いて通り過ぎてゆく。花季が長く、のんびりと散策できる薔薇園である。(2006/11/20追記)

佐倉草ぶえの丘公園バラ園
千葉県
 

 2006年の春に新しくオープンしたバラ園。旧の「ローズガーデン・アルバ」が閉園になったあとを受けて、整備が進められたらしい。この薔薇園のラベルは、不親切極まりないといった雰囲気である。すこしは薔薇のことを知っている人でないと、品種名をこのラベルから抽出することはかなりむずかしいだろう。しかし、ある程度の知識があれば、オールド・ローズの魅力を充分に享受できる。

 そう広くはない薔薇園ながら、たくさんの薔薇が植えられている。2006年の春に訊ねたときには時間があまりなかったせいで、かなりの見残しがあったと思う。もう一度じっくりと訊ねたい薔薇園。(2006/11/20追記)

 2019年9月の台風でひどく傷んでしまったとのこと。現在閉園中である。オールドローズがたくさん植えられていて、いつ行っても楽しめるバラ園だったので、非常に残念である。(2020/05/14追記)

名古屋市東山動植物園
愛知県
 まだ訪ねたことがないが、温室のハイビスカスを撮りに行ったことはある。都心部にあるので便利だが、だだっ広いという印象だけが残っている。ハイビスカスなど、温室の花は綺麗に咲いていた。
すとろべりぃあいすバラ園
京都府
 舞鶴市にある個人運営のバラ園。日本海側にある珍しいバラ園。個人の家の敷地内をびっしりとバラで埋め尽くしたという感じのバラ園。鉢植えのバラが多数展示されている。1,000種類以上あるという。鉢植えのバラは、希望すれば販売可能。地元のバラ愛好家が多く訪れていた。バラ園として花を鑑賞するだけでなく、バラのある庭園を作りたいというお客さんが多く来ている感じ。「○○邱庭園設計写真集」のようなクリアファイルがいくつも並んでいた。このバラ園で初めて目にしたという品種がいくつかあった。経営者の方に園内の主なバラを案内していただいた。駐車場がそれほど広くはないので、お昼ころに訪れると車を置くのに苦労するかもしれない。原種からモダンローズ、イングリッシュローズまで、広く収集されている。(2009/06/30記)
国営越後丘陵公園
新潟県
 新潟県長岡市、国営越後丘陵公園のなかにあるバラ園。ここでは、よそのバラ園で見ごろが終了してしまったような時期になってもまだ綺麗に咲いているバラが多くあって、時期をずらして楽しめるバラ園として貴重である。原種やオールドローズも多く収集されており、バラ園の敷地が広いせいもあって、植えられているバラがどれもゆったりと株を広げているのが嬉しい。最近どんどん新しく手を入れている最中であるらしく、毎年その表情がちがって見える。ここで初めて見たという品種もあり、すこし遠いものの毎年訪ねることが楽しみになってきたバラ園である。

 ここには、ラ・フランスがたくさん植えられているのも嬉しいかぎりだ。現代バラの第1号とされるこのバラは、しかし、どこのバラ園でも標本程度には植えられているものの、まとまって見られる場所はほとんどない。姫路ばら園でも、かつてラ・フランスがたくさん並んでいた場所が消えてしまった。オールド・ローズの特徴を色濃く残しながらも、モダン・ローズローズ第1号としての輝きをいつまでも失わない孤高の品種である。このラ・フランスの群落を見るためにだけここを訪れたとしても、きっと裏切られることはないであろう。国営公園だけあって、園内は広く、駐車場も広いので、焦ることなくじっくりとバラを眺めることができる。公園内にはレストランもあるが、ベンチがたくさんあるので、おにぎりなどを持ち込んで食べてもよい。 (2009/06/30記)

 よく管理されているバラ園である。年々新しい品種も導入されているし、新品種のコンクールも開催されている。一日では見切れない広さなので泊りで行きたいところだが、隣の長野県中野市の一本木公園の薔薇も気になってしまい、いつも1日だけの訪問になっている。原種の薔薇も多く植えられており、バラ園そのものも広く駐車場もたっぷりあるので、一日ゆっくり楽しめる。(2020/05/14追記)

山梨県フラワーセンター
山梨県

 公営のフラワーセンターであるが、別名「ハイジの村」と銘打って、さまざまなイベントを催している。総延長230メートルにも及ぶバラの回廊が売り物らしいが、品種名がきちんと付けられていないのが残念。この回廊は緩やかな斜面に設けられているので、足元がそれなりに気になり、ゆっくりとバラの花を鑑賞できないという憾みがある。

 また、ラベルが付けられていない株がたくさんあるが、何とか整備してほしいものだ。

 ここのバラ園では、ラベルが付いていなかったものの、日本ではまだ1箇所でしか見たことがなかった「ムスー・デュ・ジャポン(日本の苔、という意味のフランス名のバラで、由来は不祥)」を見ることができた。佐倉草ぶえの丘バラ園でしか見たことがなかっただけに、このバラを見つけたときは興奮した。このバラは枝先から蕾にいたるまでびっしりと苔がついたようになっていて、ちょっと見るとアブラムシにやられたのかなと錯覚してしまうほどだ。なぜ日本の苔という名前がついたのかその由来はまったくわかっていないという。ヨーロッパでは、このいわゆる「モス・ローズ」は人気が高いそうだ。このバラを見るためにここを訪れる価値はある。ただし、ラベルはついていないので、あらかじめオールド・ローズのバラ図鑑で写真を見ておいたほうがよいだろう。(2009/06/30記)

名古屋市鶴舞公園
愛知県

 愛知県名古屋市の公園の1つ。私が訪ねたのは、2007年11月。130枚ほど撮影した。ずいぶん古い話だが、なかなか綺麗に咲いていた記憶がある。(2020/05/14記)