長野県の桜染井吉野が終わったあと、長野県北部では枝垂桜や江戸彼岸桜が咲き盛る。北信五岳をはじめ、周辺の山はまだ冬の装いである。 【つづきを読む】
◇この写真について◇
地蔵久保の大山桜。飯綱町地蔵久保地区に植えられている大山桜(紅山桜)。
日清戦争(一説には日露戦争)の戦勝を記念して植えられた桜であるという。
推定樹齢130年、幹回り5.1m、樹高20m。長野県指定の天然記念物。
大山桜は濃い紅色の花で、遠くからでもよく目立つ。坂中トンネルができて
長野市内との往き来が便利になったのだが、そのころから樹勢が急に衰えはじめて、
今では主幹はほぼ朽ちてしまっている。私が初めてこの桜を見に来たときは
もっとずっと大きくて空に向かって枝いっぱいに花を咲かせていたような気がする。
大山桜は案外寿命が短いのかもしれない。新潟県阿賀町の「極楽寺の野中桜
(国指定の天然記念物)」も大山桜の変種であるが、樹齢90年ほどで主幹は
朽ちてしまっており、根元から数本の新しい株が育って花を咲かせている。
西日本に多いふつうの山桜はかなりの長寿で、静岡県富士宮市にある
「狩宿(かりやど)の下馬桜」(国指定の天然記念物)は樹齢830年以上、
1,000年ともいわれている。